クルミのおやつとは
藩政時代、白山麓に自生するくるみは、加賀藩主への贈答品のひとつで「献上くるみ」の呼び名がありました。
金沢では「久留美」と書いて、「幾久しく美しさを留める」美容や健康に良い食材として重宝されてきました。
くるみを飴炊きした「くるみの佃煮」は、いつまでも美しくとの願いを込めて、婚礼や祝宴のごちそうに添えるほど、この地に馴染みのあるものです。

そんなくるみをもっと手軽に味わっていただだけるように、また、古くから伝わる金沢の食文化を繋いでいきたいという想いから、「クルミのおやつ」が生まれました。
良質な大粒のくるみにこだわり、じっくりと焙煎してから大きな釜の中へ。飴色の艶が出るまでぐつぐつと丁寧に炊き上げます。
永年培った佃煮の伝統的な製法を活かし、その日の温度や湿度の変化を見極めながら、時間や混ぜ方の調整をします。
手間と暇を惜しむことなく、何度も繰り返しかき混ぜてキャラメリゼ風に。釜から取り出して冷ますと、表面には自然な結晶が浮かび上がります。
こうして、伝統をより発展させた古くて新しい佃煮屋さんが作る「クルミのおやつ」が仕上がります。
機械とは違って量産はできませんが、人の手だからこそ生み出せる食感や味わいが自慢です。
素材本来の味を尊重し、カリッと香ばしくサクッとやわらかい食感で、ミネラルや食物繊維などの高い栄養価はそのまま摂ることができます。
食べ始めると止まらない、ついつい手が伸びてしまう、その美味しさの中には、佃煮の製造技術と金沢の食文化がギュッと詰め込まれています。
わたしたちは、江戸から金沢へ伝わった「佃煮」を金沢から全国へ「クルミのおやつ」として広めていきたいと思っております。